子供の話を聴くことは簡単だと思っていませんか?
もし、簡単だと思っているなら、
今すぐ考え方を変えてください。
たしかに、聴き流すことは簡単です。
何も考えずにボーっとしながら
聴いていればいいのですから。
でも、子供の話を聴き流していては、
良好なコミュニケーションとは言えません。
そのうち、子供も話をする気をなくすでしょう。
「聴く」という行為は
一般の人達が思っている以上に難しいことです。
まず、本当の話を聴くためには「沈黙」が必要です。
誰かと会話する時、
お互いしゃべらずに黙っている時間を持てますか?
沈黙すると気まずく感じる人が
ほとんどではないでしょうか?
何秒くらいだったら耐えられますか?
通常なら、5秒でも耐えがたいでしょう。
一般社会では、
沈黙が良しとされない場合も多々あります。
そのため、ほとんどの人が沈黙を重視しません。
けれども、本気で相手の話を聴きたければ、
沈黙は欠かせないと言ってもいいほどなのです。
なぜ、沈黙が重要なのかと言えば、
沈黙がやってくる前に話を切ると、
本当に話したいことまでたどり着かないからです。
自分が話しているときのことを思い出してください。
話しながら考えていませんか?
話す前から考えが完璧にまとまっていて、
言いたいことも文章表現もしっかり定まっているなら
別ですが、通常の会話でそこまで念入りに
用意していることはほとんどありません。
つまり、通常の会話では、話しはじめた段階で
「話したいこと」がまとまっていないのです。
話しながら徐々に「話したいこと」をまとめていっている
傾向が強いのです。
そうやって話しているうちに
「本当に話したいこと」に気づくケースが多いのです。
とりあえず話し始めて、いろいろと話しているうちに
「話したいこと」がまとまってきて、
そのうち、自分でも気づかなかった
「本当に話したいこと」に気づく。
こういう流れです。
ですから、聴く側に求められる姿勢は、
相手の話を止めないことです。
相手の話がいったん止まっても、そこで黙っていれば、
相手は次に話すことを考えます。
もし、沈黙が長いようでしたら、
それまでに相手が話したことを要約してあげてください。
「つまり、~~ということ?」というふうに要約して
返してあげるのです。
すると、相手は話をつづけます。
そうやって相手が話せるだけ話して、
「もうこれ以上話すことはない」と感じた瞬間に、
相手自身も気づかなかった「本当に話したいこと」が
出てくるのです。
その理由は簡単。
話しているうちに
だんだんと頭のなかが整理されてきて、
頭のなかが整理される前には分からなかったことが
分かってくるからです。
ちらかった部屋では
探し物がなかなか見つかりませんが、
きちんと掃除をすると簡単に見つかるようなものです。
相手の話を限界まで引き出すために、
「沈黙」を上手く利用してください。
沈黙が長いようなら「要約」を上手く利用してください。
自分が言いたいことは言わずに終わってもいいんです。
相手が本当に言いたいことを言わせてあげる。
それが「聴く」ということです。
沈黙と要約を重視しながら、しっかりと聴く。
このことが、
不登校の子供と接するときに重要なポイントとなります。
木村優一